「少しは面白くなってきたプロ野球」
2005.05.16

 たかが野球、されど野球。
"雨降って地固まる"という言葉がありますね。
アクシデントはあっても、結果としてまぁまぁ丸くおさまった時に使うようです。

 今年のプロ野球もこれに近いような現象が起きているように思います。
オリックスと近鉄というライバルが合併して、一リーグ制だ、二リーグ制だ、とゴタゴタし、あげくの果てにはヤクルトの古田捕手が会長を務める選手会が、試合をボイコットするストまで実行して、大騒ぎとなりました。

 こんな中で、ホリエモンの率いる'ライブドア'と、'楽天'が新チーム参入に名乗りを上げ、さんざんマスコミを賑わせ、結果として楽天に軍配があがって一件落着。
その'楽天'人気はあるものの、予想通り実力は今いちで、成績はすでに8勝33敗。しかし、どう考えても今年は力不足でもしょうがないですね。

 これに対し、恥ずかしいのは巨人です。
あれだけ年俸の高い選手を抱えながら、楽天と同じ最下位を低迷して、よほどの奇跡、ピッチャーの救世主でも現れない限り、今年の優勝は無理だろうと、もうネット裏の評論家はささやいているとか・・・。

 ところが、オーナー会と選手会との交渉の過程で生まれた申し子のような「交流試合」が、ここへ来て盛り上がっていますね。
幸いというか、ラッキーというか、たまたまというか、この交流試合で巨人の成績が少しづつではあるけれど、キッカケを掴んだようです。

 私は堀内監督が辞めない限りダメだと思っていましたが、最近は強情を張らず、やっとかたくなな心を入れ替えた(?)かに見えます。
今までは、最初のスターティングメンバーを馬鹿の一つのように絶対替えなかった。
ほとんど打てないと思われるキャプ(外野手)をかたくなに替えないで、チャンスをつぶしてきました。
その逆で、好調の投手を途中で替えて、勝っていた試合を何度失敗したことか・・・。
これによって、なんぼ人の良い巨人ファンも呆れて、球場へ行く回数が少なくなってしまったのです。当然のことですよね。

 巨人ファンなら待ちに待っていた、清水外野手を起用したらどうでしょうか。
急に巨人の一、二番コンビに機動力がついたようになったではありませんか。

 過去の巨人の9連覇も、王・長島の大選手だけでなく、柴田・土井・高田といった足が速く、小細工のきくいぶし銀のような名選手がいたからこそ、ドカーンといった一発が効いたのですね。

 ホームランの魅力は確かに魅力ではありますが、ともすれば大味になって、きめ細かなプレーがだんだん影をひそめてしまうようです。
小兵ながら、バンドやヒット・エンド・ランや盗塁によって相手のチームの守りをかき乱す魅力も野球という競技の面白さではないでしょうか。

 この機動力に優れているチームが、セ・リーグでは中日であり阪神なのです。
おそらく今年のセ・リーグのペナントレースは、この二チームを中心に展開することは間違いないでしょう。

 評論家のようなことを言ってすみません。
 でも、やっぱり野球って面白いですよね。


                                  秋鹿 博