「感動する心をそだてよう」
2005.04.20

 先日、久しぶりにワクワクするような感動的な映画を見ました。
題名は、「ベルリンフィルと子供たち」と言います。

 内容は、世界最高のオーケストラが演奏するバレエ「春の祭典」を、まったくの素人であるベルリンの子供たち250人が、そのバレエを踊るための猛練習、スポーツで言えば特訓を受け、苦悩と喜びによって成長していくプロセスをドキュメンタリータッチで追っていく感動作品でした。
そして、2003年1月、真冬のベルリン・アリーナで堂々とひと晩限りの舞台に立ち、大喝采を受けたのです。

 よく名優も、「子供と動物にはかなわない」と言いますが、本当にそうですね。
一人ひとり個性のある子供達を一つの目標に向かってやる気にさせ、心を一つに合わせることは並大抵のことではありません。

 このベルリン・フィルハーモニーを率いるサイモンラドル氏は、「教育プロジェクト」を発足して、子供達に音楽とバレエを通じて人間の無限の可能性に挑戦することの意味を理屈ではなく、体験によって知ってほしいと「ダンス・プロジェクト」を始動させたのです。

 それまでクラッシックに縁もなく、練習に身に入らなかった子供が、振付け師ロイストン・マルドゥーム氏の熱い指導によって、みるみるうちに変わっていく姿は、まるで
魔術師を見るようでした。
 日本の子供達が一部ではあるけれど、最近何かおかしくなっていることを思うと、このような映画を是非とも見てもらいたいなーと強く思った次第です。

 美しいものに感動する心、人と人の心を一つにすることの素晴らしさ、そして、自分のことはもちろん大切にして欲しいと思いますが、人の役に立つことに喜びを感じられるような感性を身につけて欲しいと、願わずにはいられませんでした。
 そのような機会を沢山つくりたいですね。

                                  秋鹿 博