「グローカルな時代」
2004.7.22

 先日、7月17日(土)・18日(日)の2日間、富士宮市国際交流協会(FAIR)の10周年事業が行われました。内容は、展示あり、歌あり、踊りあり、そして講演ありの多彩なプログラムで、大変賑わいました。富士宮市における国際交流の歴史を振り返り、これからのあり方を考える大変良い機会で、また楽しい企画でした。

 国際交流が国と国の時代から、地域と地域の時代へ移行して、グループとグループ、そして、個人と個人の交流の時代を迎えています。どこの町でも最初は、姉妹都市や友好都市など都市と都市の交流から始まりました。やがて経済団体も加わり、経済交流に変化して行きました。

 しかし、どうしても行政が主導型になると形式的な儀式が多くなり、役職をもつ人達の交流が中心で、予算の関係もあって年中行事になってしまいます。しかも、伴すると、姉妹都市などの特定の国や都市との交流に、限られてしまいがちでありました。富士宮市国際交流協会では、10年前からこの考え方を改め、現在は市民参加の幅広い活動を展開しているようです。特にこれからは、欧米よりもアジアの国々と今まで以上に形だけでなく、本音で交流し合う必要があります。富士宮市の場合、今後ますます国際交流が「市のまちづくりの戦略」として大切になってくるのではないでしょうか。

 外国の方々は、「静岡」の名は知らなくても「富士山」は誰でも知っていて、憧れの的なようです。そこで、これからの静岡空港は「富士山空港」として、こちらから東南アジアに行くことも大切なのですが、それ以上にアジアの人々をいかに「ふじの国・静岡」に来てもらうことの方に重点を置いて考えていってもらう方向性を提案したいと、私は思うのです。

 このような方向性で富士山空港が出来たなら、富士山文化をアピールした富士山観光の時代が到来することは間違いありません。国際化が深まれば深まるほど、グローバル(地球規模)な広い視野で、相互理解と交流を進めていく部分と、逆にローカル(地域文化)のアイデンティティーを主張していく部分の両面が必要になってくると思われます。

 これからのキーワードは、グローバルとローカルを合わせた『グローカルの時代』と言っても言い過ぎではありません。その意味で、富士宮市の小・中学校ではいち早く、「富士山学習」に取り組んでいることは、実に頼もしい限りです。

 私たち大人も負けないように勉強しないと、このグローカルな時代に、子供達に付いて行けなくなってしまうかも知れません。